審査通過のポイント

美容師が独立し、自分の美容室を開業する際には、日本政策金融公庫（公庫）や制度融資（信用金庫＋信用保証協会を活用した融資）に申込むことになります。

美容室開業の場合、この日本政策金融公庫による創業融資と制度融資どちらがいいと、一概にはいえませんが、私たちは、美容師の独立の際は、基本的に日本政策金融公庫での創業融資をお勧めしています。

なぜ、日本政策金融公庫での創業融資をおすすめするのかというと、

高額な融資を受けやすいから

美容師が独立して、自分の美容室を開業しようとすると、店舗の契約、店舗の設計や内装外装といった造作、椅子や鏡などの設備、ホームページの制作や広告といった販売促進など、多額のお金がかかります。
池上会計で美容室開業を支援した美容師の事例を見てみると、おおよそ平均して800万円〜1600万円ほどのお金が必要になります。
そうしたお金を、美容師が自分だけで用意するのは簡単ではありません。

そこで、美容室の開業資金として、
創業融資を活用する必要が出てきます。

金利が低めで融資までの時間が短いから

日本政策金融公庫は、民間の銀行や信用金庫と違い、日本政府によって運営されています。 そうした背景もあるため、起業したい人に貸し出す創業融資の金利も低くてすみます。 また、審査を通過し、融資確定から口座に入金されるまでの期間が短いというメリットもあります。

金利が低めで融資までの時間が短いから

日本政策金融公庫で創業融資を申し込む場合、担保（美容師として独立し、自分の美容室を開業したあなたが、借りたお金を返済できないときに代わりに差し出す資産）も保証人（あなたが借りたお金を返済できなくなったときに、あなたの代わりに返済の義務を負う人）も必要ありません。

制度融資の場合には信用保証協会が、この担保や保証人の代わりをしてくれますが、そのためにはお金を支払う必要があります。美容室を開業する場合、いちばん大切なスタート時期に、少しでも手持ちのお金を多く持っておくためにも、日本政策金融公庫での創業融資をおすすめしています。

ほかにも…

返済期間が長いため、手持ち資金を減らさずに開業した美容室を経営できることや、日本政策金融公庫で創業融資を受け、ちゃんと返済しておくことで金融機関への信用が高まります。そうしておけば、あなたの開業した美容室が軌道に乗った後、新店舗の拡大やより効果的な設備を投資したいと思った場合、資金を借りやすくなります。
もちろん、そうした信用は日本政策金融公庫だけでなく、銀行や信用金庫といった他の金融機関でも同じように評価されるようになります。

そうしたこともあり、池上会計では、大阪で美容室を開業される場合、制度融資ではなく

日本政策金融公庫による
創業融資を獲得することを
おすすめしています。

（制度融資は、日本政策金融公庫で万が一、美容室の開業資金が借りられなかった場合や、満額に届かなかった場合に利用することをおすすめしています。）

創業融資に通過しやすくするには

そうしたことを踏まえ、美容室専門の開業支援を行なっており、年間で100件以上の開業相談を受け、50件以上の創業融資のお手伝いをしている池上会計だからわかる創業融資に通過しやすくするポイントについてお伝えします。

とても重要なので先にお伝えしておくと、あなたが美容室の開業資金を借りるために、日本政策金融公庫での創業融資を申し込まれる際には、「経営革新等認定支援機関」という政府から、経営のアドバイスや金融機関に提出する書類をいっしょにつくることで、よりしっかりとした計画をつくることができると認定された機関に相談し、創業融資にのぞんでください。

日本政策金融公庫の創業融資に、自分一人で申し込むと、審査通過率（融資実効率）は30〜40％程度とされていますが、認定支援期間が入ることで、その割合を2倍程度まで高めることができます。

池上会計でも、経営革新等認定機関を取得し、美容室を専門的にアドバイスしています。
また、池上会計では創業融資の審査通過率が98.6％と認定支援機関の中でも非常に高いので、ぜひ活用していただけるとよいかと思います。

７つのポイント

01クレジットカードや光熱費、電話代などの滞納をしていない

創業融資に限ったことではありませんが、お金を借りるために大切なのは信頼です。
そして、日本政策金融公庫や、銀行・信用金庫、ローン会社などの、金融機関にとって信頼とは、借りたお金をちゃんと返済できる人かどうかになります。 なので、創業融資を申し込む際に、クレジットカードの返済で遅延（返済が遅れること）があったり、返済していなかったりすれば当然、信頼は大幅に減点されてしまいます。
また、同じように、税金や保険の未納や滞納をしていたり、水道光熱費ややちん、携帯電話代金の未納や滞納がある場合も信頼を大きく損なうことになってしまいます。

クレジットカードや税金・水道光熱費や電話代の返済が遅延していたり、過去に返済せずに踏み倒したりしていても日本政策金融公庫の創業融資が通ることはありますが、希望額よりも減額されるケースが多くなります。

こうした履歴は、隠そうとしてもCICという機関で公開（CICの履歴は、5年で消えます）されており、融資を申し込みに来た人の履歴を金融機関も確認しています。なので、もし、過去にそうしたことがあった場合には、なぜ、そうなったのかを正直に伝え、融資を受ける場合にはちゃんと返済できるということを説明できることが、審査通過率をアップすることにつながります。

02自己資金をちゃんと貯めておく

日本政策金融公庫での創業融資は、制度としては自己資金額の10倍まで借りられることになっています。しかし、実際には自己資金額の3倍から、良くて5倍程度までしか借りられません。

そもそも金融機関は、あなたが美容師として独立し、自分の美容室を開業しようとするのであれば、雇われ美容師として働いている時代から、「計画的にお金を貯めて美容室の開業資金」にしようと努力していると考えます。

なので、美容室を開業するための創業融資を受ける場合、最低でも200〜300万円くらいは自己資金として貯めてあることが重要です。（200万円の自己資金で3倍の融資を受けられた場合、200万＋200万×3＝800万円になります。）

あなたはこれを読んで、
こんなことを考えるかもしれません。

自己資金が多い方が創業融資でたくさん借りられるなら、親や知人からお金を借りて資金を増やせばよいんじゃないか」と。

これは「見せ金」というやり方で、日本政策金融公庫の創業融資担当者が見れば（急に大きなお金が振り込まれているので）すぐにわかってしまいます。そうなると、創業融資が通ったら、このお金を美容室の開業資金に充てることなく返してしまうんじゃないかと思われ、あなたの信頼が著しく損なわれることになるので、絶対にやめてください。

そのかわり、自分でコツコツ貯金した通帳を見せること、親や知人から借りたのであれば、その旨もしっかりと説明することで、あなたの印象を損なうことなく創業融資の審査通過率を向上させることができます。

03準備して面談に臨む

美容師として独立し、美容室を開業するために、日本政策金融公庫で創業融資を借りようとする場合、創業融資の担当者と面談することになります。

面談だからといって、かしこまってスーツを着ていかなければならないとか、髪の毛を真っ黒にし、就職活動生のようにしなければいけないというわけではありません。でも、社会人としてお金の話をするわけですから、相手に失礼のない服装をして、フランクになりすぎない、誠実な受け答えをすることで創業融資の審査通過率をアップすることができます。（当然、スーツがダメなわけではないので、スーツをお持ちの方は、スーツを着ていく方が無難といえます。）

04美容室を開業する動機を明確にする

まだ、美容室を開業していないあなたに、日本政策金融公庫や銀行・信用金庫といった金融機関が創業融資をしてくれるのはなぜでしょうか？

事業計画を見て、計画通りに売上や利益が増えていくと思ったからでしょうか？
あなたが将来、日本一の美容室チェーンをつくりあげると思ったからでしょうか？

実は、金融機関は、美容室の経営者として経験のない美容師がつくった経営計画書（事業計画書）をそれほど評価していません。やったこともない人の経営計画書や事業計画書は、結局絵に描いた餅だからです。

それよりも、日本政策金融公庫の創業融資担当者が重要視しているのは、面談であり、あなたという人です。だからこそ、申込用紙にもあなたの略歴や創業の動機などを記入する欄がありますし、必ず面談を行なっているのです。

そこで、創業融資の担当者は、

あなたの「人となり」「受け答え」
「想い」をしっかりと聞いて、見て、
美容室開業のための創業融資を
実行するかどうか

を決めます。

「人となり」「受け答え」「想い」というのは、簡単にいうと、あなたの話に説得力があるか、ちゃんと自分で考えた事業計画か、美容業界のこれからを自分なりに考え、美容師として独立しようとしているか否か、といったことです。

なので、必ず美容師として独立する動機をしっかりと考え、その上で事業計画を作っていくことが重要であり、創業融資の審査通過率をアップさせるポイントです。

05書類に書いてあることをちゃんと話せるようにする

上記の、動機をしっかり語ることにも関連しますが、日本政策金融公庫に創業融資を申し込む際には、事業計画といって、＜あなたの美容室を開業するまでの計画と、美容室を開業し、美容師として独立してからどうやって売上を得て、利益を得ていくか、借りたお金をどう返済していくかという計画＞を提出しなければなりません。

ここに書かれたことが、あなたが美容師として独立し、美容室を開業・経営していく上でのいちばん大切な計画であり、あなたの思い描く経営のイメージなので、これを聞かれた際、しっかりと受け答えできなければいけません。

もし、受け答えがうまくいかなければ、創業融資担当者から、あなたは自分が改行しようとしている美容室について何も考えていないと思われ、大きく減点されてしまいます。

事業計画はしっかりと練り、ちゃんと受け答えできるようにしておくことで、創業融資の審査通過率を大幅に向上させることができます。

06焦らず正直に話をする

あなたが美容師として働いていたときに、かしこまった場で面談するなんていう経験は、あまりなかったのではないでしょうか？ ましてや金融機関の人と面談する機会なんて、ほとんどの美容師がないと思います。（店長やエリアマネージャーであれば、あるかもしれないくらいで、ふつうはないと思っています。）だからこそ、

美容室開業資金を借りるための
面談と聞くと、あなたは緊張して
おじけ付いてしまうかもしれません。

なので、日本政策金融公庫の創業融資面談においても、どんなことを聞かれるのか？ どんな受け答えをすることで、印象が良くなり審査に通りやすくなるのか？ といったことを熟知しています。

美容師が一人で日本政策金融公庫の創業融資に申し込んだ際、審査通過率が30〜40％と低いのは、多くの方が準備せずに（もしくは中途半端な準備しかせずに）面談に臨んでいるからです。

そうではなく、しっかりと面接の準備と対策を行うことで、創業融資は大幅に通りやすく、審査通過率をあげることができます。

07経営革新等認定支援機関を活用する

この項の最初にも書いたのですが、日本政策金融公庫に限らず、創業融資を借りたいという美容師の方は、絶対に経営革新等認定支援機関というところに融資の相談をされた方がよいと思います。

この経営革新等認定支援機関は、国によって認定されただけであって、それだけであなたの創業融資の審査通過率を2倍程度まで引き上げることができます。（通常30〜40％程度なのが70〜80％程度になります。）

また、その場合、美容室専門で、開業を支援している認定機関であれば美容室の経営についても、美容師が独立して創業融資を申し込む場合の計画や面談での受け答えについても、内容がわかっているので、なおよいと思います。

私たちの思い

別に、あなたにつよく池上会計を営業したいわけではないのですが、そうしたことを考えたとき、大阪での美容室開業に関しては、私たちが1番のプロフェッショナルだと思っています。

創業融資の数や通過率の異常な高さだけではなく、開業前の美容室の立地や契約するために必要なお金・家賃のこともそうですし、その後の美容室経営や集客、店舗拡大、助成金や補助金といった美容室を大きくしていくためのあらゆる場面で支援ができるからです。

純粋な気持ちを食い物にする業者に騙されてほしくない

同じようなことをうたっているコンサルティング会社や、会計事務所もありますが、そうしたところは、相談に来た美容師の中でも「融資が通りやすそうな人だけを選んで支援」していたり、「融資を通したら5％の手数料をもらって終わり。あとは自分で頑張ってくださいね。」という態度で、その後のことは相談に乗ってくれないという話をよく聞きます。
もしくは、「店舗の契約と内外装だけを請け負って、不動産業者や施工業者から手数料を抜いているだけ」の会社もあります。

あなたはきっと、美容師として独立し自分の美容室を開業した後は、多くのお客さんに来てもらい喜んでもらってどんどん売上をつくっていきたいとか、経営者として成長し、やがて現場を離れていくつもの美容室を経営していきたいとか、いろいろな夢や希望を持っていると思います。

私は、そうしたあなたの
純粋な気持ちを食い物にする
業者に騙されてほしくない

と思っています。

だからこそ、まずは、美容師として独立したいと思われた際に、自分の美容室を開業したいと思われた際には、ぜひ池上会計に相談に来て欲しいなと思っています。

もちろん、絶対に創業融資を借りなければいけないわけでも、池上会計で美容室の立地や建物、内外装を行わなければいけないわけでもありません。
まずは、相談いただき、あなたにとって、あなたの美容室にとって、最適な経営計画についてお話しし、独立した美容師としての第一歩を踏み出すきっかけになればいいなと思っております。