創業融資は、借りられる確率や金額のことを考えると、美容室の開業から1年以内、できれば半年以内、できる限り早く相談されることをおすすめします。

理想は開業を考えはじめてから
すぐに相談
されることです。

池上会計で美容室の開業支援をした美容師さんが、開業から数年後以内にかなりの頻度でいわれる言葉があります。
それは、「あのときは必要ないかも?と思っていましたが、美容室の開業時に創業融資を受けておいて本当に良かった」ということです。

なので、あなたも美容師として独立するなら、自分の美容室を開業するなら、必ず創業融資を受けておいたほうがいいと思います。

では、なぜ、私が創業融資を借りたほうがいいというのか、独立した美容師さんから「創業融資を受けておいてよかった」といわれるのかをお話しさせてください。

多くの美容師さんが創業融資に迷う理由

ほとんどの美容師さんは独立し、私のところに美容室開業の相談に来られる際、美容室を開業するための創業融資を受けるべきかを迷われています。

美容室を開業するには多くのお金がかかるので、自己資金だけでは心配だから借りておきたいという気持ちもありつつ、「借金は怖い」「借金=悪いこと」というイメージが拭い去れずに迷われている方が多いです。(池上会計は、美容室の開業支援のお客様が多いこともあります。)

結論からお伝えすると、美容室の開業時には
お金を借りられるだけ借りておくことが大切

よく、「借金したら返さなければいけないから迷っています」とか、「親や親せき、知り合いから出資してもらえるので大丈夫だと思います」といわれる美容師さんがいらっしゃいます。

この創業融資を受けるべきか否かに関しては、業種にもよると思っています。
お店を持つ必要もなく、自宅でPC一台で始められるITでの企業や、広告代理店などであれば、借りる必要はないこともあります。

でも、美容室の開業に関していえば、絶対に借りるべきです。
なぜなら、独立した美容師さんが、美容室を経営していくにあたっては、資金はいくらあっても問題がないからです。
美容室を開業したばかりの段階では、まだお客さんが来なくても、家賃や人件費、光熱費はかかり続けます。お客さんに開業したことを知ってもらうために、ホームページやチラシをつくったり、広告を出そうと思えばお金がかかります。

というよりも、

お金がたくさんあったほうが、確実に利益が出ます
あなたのやりたいことがやりやすくなります。

美容室の売上を増やすためにお金をつかう

独立し、美容室を開業しようとする美容師さんの多くがお持ちになっている「借金は悪いこと」という認識は、日常生活を行う上では間違いではありません。むしろ、望ましいことです。

ですが、美容師として独立し、美容室を開業するという事業を行う上では、その価値観は全く別物です。

創業融資は通常の借金とは性質が全く違うのです。

あなたが美容師として独立したあと、美容室を開業し経営を行なっていくと、あなたが思っている以上にお金がかかります。(私も、これまでに多くの美容師さんの独立を支援してきましたが、全員が最初に思っていたよりも余計にお金がかかったといわれます。おおよそ、計画の1.3〜2倍くらいのお金がかかると思っていただくとよいと思います。)

それに、あなたが美容師として独立したあと、開業した美容室を経営するために使うお金はより売上を増やすため、より利益を増やすためのお金です。当然ですが、広告費を多くかけることで多くのお客さんを集客できます。そうなれば、早い段階で多くのリピーターがついていくので利益はどんどん上がっていきます。

でも、広告費をあまり使えない場合、お客さんの集客は少しずつになってしまいます。そうすれば、リピート客が増えていくペースも早くはないので、なかなか利益を出すことが難しくなります。

そうした意味でも、あなたが美容師として独立し、美容室を開業するのであれば、創業融資は借りておいた方がよいといえます。

美容室の経営は、何が起こるかわかりません

また、今回のコロナのように、誰のせいでもないのに苦しい時期がやってくるというような不測の事態に陥ることもないとはいえません。それに、集客や売上も計画通りにいくとは限りません。これはよい意味でも悪い意味でもいえることだと思いますが、計画は必ず狂うものであると思っておく必要があります。

そうしたときに、最初に必要と思うよりも多くのお金を持ってさえいれば、落ち着いて美容室経営のことを考えられます。でも、お金がギリギリだった場合、一気に経営が成り立たなくなります。

かといって、そうしたときに金融機関で融資を受けようと思っても、美容室開業時の融資(創業融資)ではないので、簡単には借りられません
すでに売上や利益が出てきている状況ですから、いくら事業計画を見せて説明をしても、これまでの経営状況を見て判断されます。(そして、多くの場合は審査に通りません。)

よく「銀行は、天気のよい日に傘を貸し、雨が降ると傘を取り上げる(利益が順調に出ているときにはお金を貸してくれるが、経営状況が悪化したときにはお金を貸してくれない)」といわれますが、これは金融機関のことを考えれば当然です。

経営状況がよく、利益が出ているときには投資すればするほど儲かりますし、儲かっていれば順調に返済してもらえるのでお金を貸したいと思いますが、経営が悪化してお金を貸しても家賃や人件費につかわれ、売上や利益が上がる見込みがないのであれば、返済してもらえる可能性も低いので貸したいはずがありません。

しかし、創業融資であれば、あなたがつくった(もちろん私たちが支援します)

美容室の経営計画・事業計画だけで
判断してもらう
ことができます。

そうなれば、いざというときのために多めにお金を持って美容院を経営できるので、最初からしっかりとお客さんをつくるための広告費も出すことができ、リピーターも増えていくので早めに経営を安定させることができます。また、万が一、不測の事態が起きても多めにお金がある分、余裕を持って美容室を経営することができます。

300人以上の独立支援でわかった
経営でいちばん大切なこと

あなたが美容師として独立したあと、美容室を経営するとして、なにが一番大切かというと、心に余裕を持った経営です。いくら技術が高くても、いくらよい立地に美容室を開業しても、心の安定がないと経営はうまくいきません。スタッフに焦りが伝わり、よい仕事ができなくなっていきますし、お客さんにもそうした空気は伝わります。
そうなれば、徐々に(一気にいくときもありますが)お客さんが減っていき、ますます経営は悪化します。

それは、美容室に限らず、様々な業種で同じことがいえますし、規模の大小にかかわらず、経営の安定とは経営者の心の余裕です。そんな心の安定をもたらすものが、開業したばかりの美容室経営においては「お金」になります。

計画よりもできるだけ多くのお金を持っておくことで、あなたが開業する美容室を早く軌道に乗せるための広告宣伝費としてつかうこともできますし、新しい技術やお客さんに喜ばれそうな商品の仕入れ、場合によっては高価な機械を入れることで他者との差別化をはかり、大きな利益をあげることにもつながります。もちろん、不測の事態が起きたときの保険にもなり、あなたの美容室が順調に成長し、2店舗目、3店舗目を考えるときにも武器になります。

だからこそ、

創業融資を借りて、
余裕を持って経営することが大切

だといえます。

もし、美容室の開業時、創業融資を受けても

使わずに終わることができるなら、
早めに返済すればよいだけです。

そうすれば、あなたは金融機関から見て、計画通り(あるいは計画以上に)しっかりと美容室経営を行い、利益を出すことのできる「優秀な美容師、優秀な経営者」と思ってもらうことができます。
となれば、あなたが店舗を拡大しようとか、他の事業をやっていこうと思い、いざお金が必要になったときにも新たな融資を借りることのできる可能性は高くなります。

創業融資を受けるメリットのまとめ

  • 美容師として独立し美容室を開業した人の多くが「創業融資を受けてよかった」と思っていること
  • 美容室の経営は、最初の事業計画よりも1.3〜2倍くらいのお金がかかるということ
  • ふつうの借金は「お金を減らしていくことなので」悪いこと。でも、美容室の経営では「お金を増やすため」の借金なのでそうではない
  • 美容室の開業時に、お金が多めにあれば経営を早く安定させることができる
  • 売上や利益も早く増やしていけるので、2店舗目を出す計画も早くなること
  • 経営には不測の事態が起こる可能性があること
  • 経営者にいちばん大切なのは「心の安定であること」
  • 不測の事態が起きたときに、創業融資を借りておけば心に余裕を持って経営できること
  • 創業融資を受けたからといって、必ずしもつかう必要はなく、早めに返済してもいいということ
  • それによって、金融機関からあなたは「優秀な経営者」という見方をしてもらえること
  • 「優秀な経営者」には、事業拡大の際、金融機関が多くのお金を貸したがるので、あなたの目標を早く達成することができること

上記のことから、池上会計では、美容師として独立し、美容室を開業するあなたに「創業融資」を受けることをおすすめしています。